「デジタル単一市場における著作権指令案(DSM著作権指令案)」について講習を受けてきました。
これはざっくり言うと、
SpotifyやらApple Music等といったサービスと比べてYouTube等が権利者へ分配している金額が著しく少ないからこの差をどうにかしようぜ!
ってな感じの案みたいです。
要するに、オンライン上における著作権について定めようとする物ですね。もちろんSpotifyやApple Music、YouTubeに限った話ではありません。
それとあくまでもEU加盟国のお話で、この案を素に各国の著作権法に照らし合わせて法律を改訂しましょうよ、ということです。
自分は専門家じゃないので詳しい内容は書きませんが、個人的に興味深い話をいくつか感想を書きたいと思います。
責任の所在、規制の対象, etc
オンライン・コンテンツ共有サービス・プロバイダーとは?
読んで字のごとく、自分の制作したコンテンツをオンライン上にアップロードして公開するためのサービスを展開するプロバイダーのことです。
要するにYouTube、Facebook、Twitter等が該当するのですが、画期的なのは新たなビジネスモデルが出てきた時にはケースバイケースで該当するか判断される点。しっかり未来を見据えた案になってて良いのではないでしょうか?
以下、サービス・プロバイダーと呼称します。
サービス・プロバイダーの責任
公開されたコンテンツが著作権侵害してる場合、サービス・プロバイダーも権利侵害したことになる、みたいな内容が盛り込まれてるようです。もちろんアップしたユーザーもアウトだと思いますが。
今までサービス・プロバイダー側は「アップロードするサービスを提供してるだけであってアップロードしたユーザーに責任があるのだ!」ってな感じであーだこーだやってたようですが、もうそういうのは止めにして問答無用でサービス・プロバイダーも権利侵害してることになるわけです。
わかりやすくて良いと思いますが、YouTube(Google)は資金力があるからアップロードされた動画のチェックやら自動フィルタリングのツール開発も出来るだろうが、小さい企業や新規参入したい企業には非常に厳しい内容になります。
なので、資金力に合わせてある程度緩和しましょうという配慮も盛り込まれてます。
それでも違法アップロードをしてしまった場合。
許諾を得る努力をしたか、迅速に最善の策を講じる努力をしたか、等といった事が認められればサービス・プロバイダー側の責任は問われないことになる・・・努力って具体的じゃないので結局違法アップロードはなくならなそうだなと個人的には思ってしまいます。
ベストセラー条項
簡単に言うと、1曲買取で契約してCDを出したら思ったより売れたーってなった場合、作曲者は追加請求できるという内容です。
作家は、これがあればある程度安心して買取契約が出来ますね。
ドイツは既にあって、フランスはそもそも買取は基本的に無いんだったかな?
リンク税
ニュース記事等の中身を引用してリンクを貼ると、情報を配信しているメディアへの著作料を支払う義務が生ずるといったような内容。
私的または非商業的な使用やハイパーリンクを張る行為等には適用されないみたいです。他にも引用が極めて短い場合はOKみたいに色々規定があるようです。
まぁ個人ブログだったら大丈夫ってことでしょう。
かなり物議を醸している条項のようですね。
番外編:パスティーシュについて
パスティーシュとは作風の模倣のこと。パロディーも広い意味ではパスティーシュ。
このパスティーシュの目的における使用は大丈夫ってことになるようですが、そこで真っ先に思ったのがロビン・シック「Blurred lines ft. T.I., Pharrell」は、マーヴィン・ゲイ「Got to Give It Up」に「感じ」が似ていることが著作権侵害にあたるとして争われた問題です。
これはEUじゃなくアメリカの話ですが、どうやら著作権侵害にあたると認められたようです。恐ろしいですね。70年代のソウル風の曲は怖くて作れませんね。
でもこれはパスティーシュと言えなくもないのでは?
70年代のソウル風の曲は、アメリカじゃなくてEUで作ればいいのかな?
参考記事:ロビン・シックとファレルの盗作裁判を弁護士が再検証 なぜ「曲の感じ」に著作権が認められたか?
まとめ
色々反発もあるようですが、この分野においては間違いなくEUは世界最先端を行ってますね。
これで違法アップロードがどれだけ減るか、楽しみです。
そして日本はだいぶ遅れてると思いますが、CDを売るというビジネスモデルが未だに大きく根付いてるから遅れてて当然なのか!?
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