EASTWEST/QUANTUM LEAP SYMPHONIC ORCHESTRA(略称:QLSO)のPLATINUM COMPLETE PLUSの詳しいレビューが見当たりません。GOLDはよく見かけますが・・・。
さらに、2018年の今、East Westのオーケストラ音源を購入するとしたら多くの方はHollywoodシリーズしか検討しないのではないのでしょうか?
確かに今や古い音源となってしまったQLSOですが、実は今でも使える音源であると思いますし、何よりお買い得だと思います。

そんなQLSOを見直してみましょう。

EAST WEST ( イーストウェスト ) / Symphonic Orchestra Platinum Plus Complete


収録楽器


オーケストラの音色は一通りそろってます。セクションとソロの両方収録されていますので、QLSOがあれば出来ないことはほぼ無いと言ってよいでしょう。

とは言え、残念ながら足りない要素もあります。

EWのHollywoodシリーズと比較しつつ中身を見て行きたいと思います。


良い点


弦楽器はソロも収録されております。
Hollywoodシリーズではセクションとソロは別売りとなっておりますので、QLSOはお買い得です。また、HollywoodシリーズではソルディーノはEQで加工した音のようですが、QLSOにはちゃんと収録されております。
奏法の面から見ても良いですね。

ViolinとCelloの少人数編成のディヴィジ用だと思われる音が収録されております。奏法が充実しているわけではないのですが、あくまでもディヴィジ用だと思いますので割り切りましょう。
Violaのはありません。

ハープ、ハープシコードがあります。Hollywoodシリーズではハープはありますが、別売りです。


悪い点


ホルンのセクションが6人編成の物しかありません。パート分けのことも考えて2人編成とかも欲しいところなのですが、それをやりたい場合はソロを重ねるしかないですね。Hollywoodシリーズではソロと2人編成があるようです。

バストロンボーンがありません。Hollywoodシリーズでも単体では収録されておらず、トロンボーン×2とバストロンボーンのセクションとしての収録となっているようです。バストロンボーンの音が欲しかったらVienna等といった他の音源に頼る形になると思います。

サックス系やユーフォニアムもありませんが、こちらはオーケストラ音源に収録されてることはあまり無いので気にする点ではないでしょう。これらはViennaシリーズにありますのでそちらを別途購入するのが良いかと思われます。

ストリングスの奏法でポルタメントとグリッサンドがありません。ピッチベンドで代用しようにも、ピッチベンドはほんの少ししかピッチが変わりません。ビブラート用なのでしょうか。
同様にトロンボーンでのポルタメントとグリッサンドも出来ません
最近のストリングス音源では出来る方が多いようですが、トロンボーンの音源で出来るのは少ない気がします。ベルリンのやつが出来たかな?

キースイッチの統一感が無い。
例えば第1ヴァイオリンではF#0がノン・ビブラートなのに対し、第2ヴァイオリンのF#0は半音トリル・・・等といった感じです。
同じヴァイオリンでもほとんど違ってたりするので、人によってはこれが一番のネックになるかもしれません。
自分の場合、Cubaseのエクスプレッションマップという機能を使って必要最小限のキースイッチを簡単に分かり易く操作できるようにカスタマイズしてるので大した問題ではない(カスタマイズは面倒だった・・・)ですが。

ダイナミクスのグラデーション変化がない
これが現代の音源に比べて最大の欠点ですね。
他の音源だと弱く弾いてからダイナミクスを上げると強く弾いた時の音に滑らかに変化してくれるが、QLSOだと最初に弾いた音が単にボリューム変化するに過ぎないようです。
例えばホルンとかで徐々にダイナミクスを上げて最終的にビリビリ音割れのような荒々しい音に変化していく感じは出せません。


マイクポジション


個人的にはこれが一番気になる点で、ネット上にレビューを見つけることが出来なかった点でもあります。
因みにADSRのパラメーターを調整できますが、残響音には効かないのでリリースを短くするとすごく不自然になってしまいます。ADSRはいじらない方が得策でしょう。

では、Hollywoodシリーズと比べてどうでしょう?


クローズ・マイク


QLSOでは、程よく残響がありドライという訳ではないです。
セクションよりソロの方が残響が少ない印象ですが、ソロの方がより楽器の近くで収録出来たからでしょう。
ソロのみを使って少人数編成の室内楽とかも可能かもしれません。

対してHollywoodシリーズはすごくドライです。正直ドライ過ぎて不自然に感じました。無理やり残響を切ってしまってるような、そんな印象です。
他にMIDマイクがありますが、こちらの方が少し自然な感じがしました。


ステージ・マイク


QLSOでは、完全にホールの響きです。
確かにこの音があればある程度満足のいくサウンドが得られると思います。
だからこそPLATINUMではなくGOLDを進める人が多いのでしょう。
でもアタック(特にブラス系)は弱いので、やはりステージ・マイクの音は必要な気が・・・と思ったのですが、スタッカートの音を混ぜるとかした方が良い結果が得られると思いました。

Hollywoodシリーズではメイン・マイクに当たると思いますが、こちらもドライです。
QLSOのクローズ・マイクよりドライな気がします。
多少残響音があってクローズ・マイクで感じた不自然さはありません。
ただ、ホール感はないのでリバーブをかける必要がありそうです。


サラウンド・マイク


QLSOでは、当然ながらホールの響きがします。
ステージ・マイクより遠いのがはっきりと分かります。
ステージ・マイクに残響成分が十分ありますので、サラウンド・マイクは無くても困らなそうに思えました。残響成分にこだわりたい方には必須なのでしょうが・・・。

Hollywoodシリーズのサラウンド・マイクはQLSOのステージマイク位な印象でしたが、リバーブかけないと自然な残響音に仕上がらないような気がしました。
そういうスタジオでの収録ということなのでしょう。

マイク位置別聴き比べ音源を用意しました。
順にクローズ→ステージ→サラウンドのマイクの音が鳴ります。
トランペットだけセクションとソロを用意しました。
ご参考くださいませ。

フルート・セクション


トランペット・セクション


スネア


ヴァイオリン・セクション


トランペット・ソロ



まとめ


QLSOは、多少足りない物はあるにせよ、総合的に見て収録楽器が充実してます。
また、弦楽器のソロもしっかり収録されていることがポイントでもありますね。
とりあえずこれ1つ買っておけば何とかなると思えます。

後はマイクのポジション毎の残響感ですが、確かにクローズ・マイクでも残響が残っていて残響成分のコントロールはできないのが難点かもしれません。
ですが、Spitfireやその他音源のクローズ・マイクの残響と比べても少し多いかなくらいで何も問題ないように思えます。
ステージ・マイクだとさすがに残響成分が多すぎるので、完全にオーケストラ用になるかと思いますが・・・。


残響が気になるならこういうのを併用して見るのもいいかもしれません。
自分は所有してないので効果のほどはわかりませんが・・・。


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新たに導入しようとすると高いですが、GOLDとか持ってる方なら3万ちょっとでアップグレードできると思いますので、検討してみてはいかがでしょう?