MOJO 2を買いました。なので所有してるBRASSのソフト音源3つに加え、愛用のハード音源であるRolandのINTEGRA-7の計4つを比較してみました。
細かい仕様は公式サイトなどをご参照ください。
※ First Call Hornsを追加 (2024/4/28)
BRASS音源の製品情報をまとめた記事もあります。併せてどうぞ。
検証のために作成したデータについて
ソロ・トランペットの音で比べてますが、他の楽器でも特性などは同様でしょう。
雑な編集ですいませんが、動画も作ってみました。
MIDIデータはこんな感じ。
ダイナミクスは音源によってCC1だったりCC11だったりしますが、そこは同じになるようコピペしてます。
ただし、INTEGRA-7だけは特殊なので異なります。画像はINTEGRA-7の項で掲載します。
Chris Hein Horns
Vol.1~4があります。COMPLETEを買えば全て手に入ります。
Vol.1以外はアーティキュレーションがやや少ない。
Vol.1:ソロ向け
Vol.2:セクション向け(ソロとしても収録されている)
Vol.3:ミュート系
Vol.4:クラリネットやチューバなどのVol.1~3に入ってない楽器
【Chris Hein Horns】感想
デフォルトで歪んでる加工された音。ポップスに合うが、メロウなジャズにはキツイかも?
Vol.1のソロ・トランペットはアタック音が過剰に強いと感じる。
そのためか、ロングトーンでダイナミクスを上下させると、上げ切った時のボリュームが思ったより上がらずダイナミクスのバランスが悪いと感じる。ただ、Vol.1の他の楽器、Vol.2のトランペットは問題なさそう。
デモ音源の最初のロングトーンを聴き比べて頂ければわかるかと思います。
収録楽器数、アーティキュレーションは豊富なのでその点は優れている。
フォールのスピードは2種類あるが、細かい調整は出来なそう。
パラメータがちょっと解り難い。
最大8ベロシティーレイヤーとのことだが、サンプルの切り換わりがスムーズじゃないのか、素早くダイナミクスを変化させるとブツブツとノイズが鳴ることもある。
Vol.2はVol.1よりベロシティーレイヤーは少ない模様。それでもノイズが発生する。割と古い音源だから?
とは言え、ノイズが鳴るほど素早く動かすことも無いと思うので全然使えます!
音色が気に入るのなら、楽器数やアーティキュレーションの豊富さから考えても非常に魅力的だと思います。
MOJO 2: HORN SECTION
細かい仕様はこの動画を見ればわかります。英語ですが・・・。
【MOJO 2: HORN SECTION】感想
歪も少なく素の音といった感じで、高域が出てないため他の音源に比べて丸い音に感じる(Chris Hein Hornsのデモ音源と比較すると分かり易い)。
そのため、ポップスで使うにはEQやサチュレーター等で加工する必要がある。
アーティキュレーションも豊富。
楽器数は、Chris Hein Hornsには劣るが充実していると言える。クラリネットもあるし。
操作性が分かり易く、個人的には使い易い。
ただ、再生中にアーティキュレーションが切り替わるたびにUIも切り替わるので、その点は非常に使いづらい点です。
Swellsの長さを自由に調整できるのが魅力。
レガートは、スピードやトランジションが調整出来て表現力もリアルだと感じる。
ダイナミクスを素早く上下させてもサンプルの切り換わりでブツブツなることもない模様。比較的新しい音源だから?
ミュートの種類が1つなのが残念。カップとかも欲しい!
"MOJO 2" の音を "Chris Hein Horns" のようなガッツのある音に加工してみる
MOJO2の音ではジャズには合いそうだが、そのままではポップスやロックに合わない気がするのでChris Hein Hornsの音のようなガッツのある音に加工してみたいと思います。
- EQで高音域をがっつり上げ、中音域はやや下げる。
- やや歪ませる。
- 好みに応じてトランジションを調整するのもGood!
これでばっちりです!!!
雑な編集ですが、動画も作ってみました。Session Horns Pro
【Session Horns Pro】感想
ダイナミクスによる変化というよりは、単にボリュームをコントロールしてるだけのようだ。
弱く吹いた時のニュアンスは出せない、ポップスに合いそうなガッツのある歪んだ音。
レガートさせると発声タイミングが遅れる(デモ音源参照)。
細かい奏法やニュアンスの再現は厳しい。
First Call Horns
収録楽器
Solos:
Alto Sax
Baritone Sax
Flugelhorn
French Horn
Piccolo Trumpet
Soprano Sax
Tenor Sax
Trombone
Trumpet (with cup, harmon, and straight mutes)
Sections:
Alto Sax
Baritone Sax
Flugelhorn
Piccolo Trumpet
Tenor Sax
Trombone
Trumpet
Also includes improvs and riffs
※Big Fish Audioより引用(https://www.bigfishaudio.com/First-Call-Horns)
【First Call Horns】感想
ベロシティー・レイヤーは最大で3つ。ソロ・トランペットの場合は以下の通り。
0~63:メロウな感じの曲に最適。
64~95:中間。
96~127:アタック強めで勢いのあるセクション系に向いてる。
ベロシティー・レイヤーはソロ・トランペット、ソロ・トロンボーンだけが3つで、それ以外は2以下。サンプル数も少なめです。
強弱はベロシティーとExpression(CC11)でコントロールするようだが、Expressionは単にボリュームが変化するだけのようです。
ベロシティー64以上で鳴らした状態でExpressionを素早く動かすとブツブツとノイズが鳴るので、急激なボリューム変化を伴うフレーズには要注意です。
アーティキュレーションは必要最低限といった感で、細かいニュアンスも調整できない。
細かいニュアンスの表現は厳しそうなので、ソロよりもセクションに向いてるかもしれません。
ミュートがソロ・トランペットのみなのが残念なところですが、ミュートの種類は3つ(cup, harmon, straight mutes)あるのが嬉しいですね。
INTEGRA-7
INTEGRA-7はSuperNATURALが搭載されていますが、このSuperNATURALの音色は他とは違った特殊な打ち込みになります。
パラメーターは、上から以下のようになっております。
- ベロシティー
- ピッチベンド
- アフタータッチ
- モジュレーション CC1
- スタッカート CC80
- フォール CC81
※最後の部分のピッチベンドは消し忘れです。最後のフォールをピッチベンドで再現しようとした名残ですね。CC81でフォールに切り替えてるのでピッチベンドは意味を成してません。
【INTEGRA-7】感想
音自体のリアルさが他の音源に劣る気はするが、表現力は負けてない。
強弱はベロシティーとモジュレーション(CC11も効く)を駆使してコントロールするのだが、それは他の音源と決定的に違う所であり、時に扱いにくいと感じることも・・・。
SuperNATURALの音色は、ベロシティーやモジュレーション等による強弱が滑らかに変化する。
また、モジュレーションホイールを上げていくと強く吹いた時の歪む感じが再現される。
他の音源にはない特徴である。
アタック音の強弱によるニュアンスもリアルに出せるため、メロウなジャズから激しいポップス系にも使える。
レガートはリアルなのでトリルも普通に打ち込めば勝手にリアルなトリルになる。
アーティキュレーションが少ない。サスティーン、スタッカート、フォール、ビブラート、Doitsくらい。
そのため打ち込みテクニックでなんとか再現する必要が出てくる。Growlはどうすればよいのか・・・。
ピッチベンドでフォールとDoitsが出来る。スピードも音程の変化量も自由に調整できる。
まとめ
音源によって出音が全然違いました。特に歪に違いが出ました。
後はアーティキュレーションの多さ、扱いや易さ、といった点で選ぶのが良いでしょう。
Chris Hein Horns:豊富なアーティキュレーション & ベロシティー・レイヤー数
操作性や歪み気味の音(ポップスに合いそうなガッツのある音とも言える)に馴染めず、結局INTEGRA-7を使ってきました。
MOJO2:豊富なアーティキュレーション & 素の音っぽい感じ
致命的な問題とかなければファーストチョイスです。
First Call Horns:他の音源と比べても安め!
かなり前に初めてのブラス音源として購入したのですが、すぐにKontakt3以降に対応しなかった為にほとんど使わずにおりました。それが新バージョンを無料で手に入れられるという事でインストールしてみました。
まあ他の音源と比べても安めなのでエントリーとしては良いかもしれませんが、それなりのクオリティを求めるなら Chris Hein Horns か MOJO2 が良いでしょう。
INTEGRA-7:ダイナミクスや歪の変化が滑らか!
音色の本物っぽさは劣るかもしれませんが、やはりダイナミクスや歪の変化といった楽器としての振る舞いがリアルで、弱く吹いた時の音やレガートなんかはとても好みです。
BRASSに限らず、吹き物系はが良いです。
今回「Sample Modeling」や「Audio Modeling」の音源など、検証できてない音源も多々あります。現状最も本物に近づける音源かもしれないと思うので試してみたいですね!
セクションを組むと良くないという話も聴きますが、ホントかなぁ~気になるなぁ~。
お金がある人は Fable Sounds - Broadway Big Band が良いかもしれません。めっちゃ高いので^^
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