以前、UVI World Suiteに全体的な使い勝手について書きましたが、今度は中華系の音源に絞ってレビューしたいと思います。
比較対象として他の音源も使用したりしてます。
- 二胡(Er Hu)
- 中国の琵琶(Pipa)
- 銅鑼
- その他、パーカッション類
各楽器のレビュー
二胡(Er Hu)
かすれた音、きれいに伸びないロングトーン。
正直な感想は「使い物にならない」です。
いや、へたっぴな演奏を再現するにはちょうどいいかも?
参考までにINTEGRA-7との比較音源をアップします。
INTEGRA-7の方は、質感がかなり良いです。
ダイナミクスの表現力は流石スーパーナチュラルです!
ただ、ピチカートがないのが難点ですかね。
中国の琵琶(Pipa)
日本の琵琶の祖先です。
日本の琵琶は撥を使うのに対し
中国の琵琶は指引き(爪をつけて)です。
なので、日本の琵琶での代用は利きません。
そんなPipaですが、質感は非常に良いです。
ですが、2点ほど問題がありました。
ピッチベンドの幅が上下に1音で固定
Pipaの弦は柔らかく(ナイロン?)2音くらいはチョーキング出来ると思われます。
なので上下に1音じゃ足りません。
そんな時は、MIDIノートを半音上に入力してピッチベンドを半音下げ~1音上げで入力しましょう。
そしてもう一つの問題点。
特定の音にノイズ有り
小さい音なので気付き難いですが、音圧を上げた時に目立ってきます。
なので、何が原因かを探るのに苦労しました(^^;
サンプルを上げておきます。
最後の辺りにプチって鳴ってるのが気付きますでしょうか?
銅鑼
通常のヒットの音質とかは問題ないですが、ロールに「プチプチ」という音があります。
たぶんノイズじゃなくて叩いた時に出る音だと思うのですが、クリックノイズに聴こえてしまい、使用するのはちょっとためらってしまう感じです。
それと、ロールの長さが短めの物しかなく使い道は限定されてしまいますね。
銅鑼はオーケストラ音源とかにも入ってたりしますので、そういった音源を持っていれば別に民族楽器音源じゃなくても問題ないでしょう。
その他、パーカッション類
小さめの銅鑼やシンバルや太鼓など、実に多くの楽器が収録されております。
それと、編鐘という複数の鐘を枠に吊るした物もあります。
編鐘についてはWikipediaがありました。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B7%A8%E9%90%98
ノイズの類は無さそうですし、音質や良い感じですのでこれは使えます!
全部を紹介するは難しいので抜粋した音色サンプルを用意しました。
これでも1割以下だと思いますので、あまり参考にならないかも?
ループ素材のレビュー
収録されているのは以下の通り。
- Chinese Flute(笛子?)
- Erhu(二胡)
- Mongol Khomus
- Mongol Topshur
- Mongol Vox
素材を並べた音源も用意しました。
また、モンゴルの楽器もループ素材でのみ収録されてます。
正直中途半端な気がしますね。
Chinese Flute(笛子?)
おそらく笛子(Di-zi)と思われます。
音色パッチとして用意されていなかったのにループ素材で収録されてます。
なぜですかね?
Erhu(二胡)
通常のパッチでは使い物にならないかすれた音でしたが、ループ素材は使えます。
通常のパッチもこのクオリティで収録して欲しかった。
Mongol Khomus
口にくわえて演奏する楽器です。
音程はなさそうですが、打楽器とも違う特殊な楽器ですね。
Mongol Topshur
モンゴルのリュート。
弦は2本。
動画にあるような弓で弾く音はなかったです。
Mongol Vox
いわゆるホーミーだけではなく、普通に歌ってるのも収録されてます。
それと、声以外に何かしらの楽器が鳴ってますね。
使うときには注意が必要かもしれません。
ホーミーとかイイ感じなんですけどね。
欲しかった楽器
ツィター属
具体的には「古箏」「古琴」ですが、収録されておりませんでした。
ツィター属は琴(日本)とLaotian Zither(ラオス)はありますが、中国のは無いようです。
音的には上記2つのどちらかで代用可能かとは思いますが、こだわるのであれば別途入手する必要がありますね。
専用音源があるのでこれが良いでしょう。
楊琴(YangQin)
叩いて音を出す打弦楽器です。
INTEGRA-7には収録されており、音も優秀なので特に問題は無いのですが、まぁ入ってても良かったかなと。
笛子(Dizi)
横笛です。
これも収録されておりませんでした。
中国楽器の中でもわりとポピュラーな気がしますが、何故ないのでしょう・・・?
嗩吶(Suona)
中国のラッパです。
中国を感じさせる音で軽やかに旋律を奏でられるのですが、馬の鳴き声などを表現する時にも使われるようです。
中国では広く一般的に聴かれるらしいので欲しかったですね。
感想
個人的には笛子(Dizi)が無いのが一番痛かったです。
二胡(Er Hu)と楊琴(YangQin)、銅鑼は、他の音源で代用できましたが、購入を検討している方は注意したい所でしょう。
というか、中国楽器の種類が全然足りません!
UVI World Suiteだけではなく、他の音源で補填しないといけないと感じました。
ノイズっぽい音はアップデートとかで解決されると嬉しいなぁ。
中華系の音源を本格的に手に入れたいなら、本場中国のKong Audioさんに頼るのが良いでしょう。
デモを聴く限り相当ハイクオリティーですよ~。
因みに、笛子(Dizi)はKong Audioさんがフリーであります。